慣性質量と重力質量が一致する理由を解明しました
本題に入る前に、詳しくない人のためにも簡単な説明を。
質量には二種類あります。慣性質量と重力質量です。
慣性質量は物体の動きにくさのことです。運動方程式によって求められます。
重力質量は物体の重さのことです。万有引力によって求められます。
この二つの質量は値が一致します。しかしこれは不思議なことです。なぜなら両者は全く別の定義であって、運動方程式と万有引力の間には何の関係もありません。それなのに「なぜか」全く関係ないはずの二つの値は一致します。アインシュタインは等価原理の中でこの二つの質量に言及し、両者を区別する必要はないと説いていますが、それでも「なぜ全く関係ない二つの質量の値が一致するのか」については現在でも答えが出ていません。
今回私が解明するのはこの慣性質量と重力質量が一致する理由です。
とはいえ私は完全な素人で、アインシュタインの一般相対性理論のリーマン幾何学なんかを解説されてもさっぱり意味がわからなかったので、ニュートン力学での説明になります。ご容赦ください。
まず普通の万有引力について考えます。
この際、自転や公転は無視して、地球と月が止まった状態を考えます。
地球と月の間には万有引力が働いています。他に働いている力はありません。
イメージとしてはこの図のようなものを想像してください。
地球の質量を、月の質量を、地球と月の距離を、万有斥力定数をとすると、両者の間に働いている万有引力は次のような式で表せます。
ここに実際の値を代入していきます。
地球の質量 は
月の質量 は
地球と月の距離 は
万有引力定数 は
これを計算すると地球と月に働く万有引力の値が求められます。
さて、唐突ですがここで新しい理論を提唱します。それは一見奇妙に見えるかもしれませんが、ここではそれを便宜上「万有斥力の法則」と呼びます。
1:全ての物質は斥力を持つ。真空が最も強い斥力を持つ。
2:万有斥力は物質間の距離の二乗に比例し、物質の質量の積に反比例する。
詳しく説明しましょう。
この宇宙に万有引力というものはないと仮定します。そこでは代わりに万有斥力が存在します。全ての物質は反発します。真空が最も強い斥力を持ちます。すると真空よりも斥力の小さい物質同士は真空中で相対的に引っ張り合います。これが「見かけの引力」です。
万有斥力の作用はとても奇妙に見えます。離れれば離れるほど強くなって、軽ければ軽いほど強くなる。これは万有引力の法則を逆にしたものだと思ってください。一見受け入れづらい仮説ですが、しかし斥力の導入は必然でした。その理由は後述します。
図で見るとわかりやすいと思いますので、地球と月の間に働く万有斥力を見ていきましょう。
この地球と月の間に存在する矢印が万有斥力です。地球と月は反発しています。しかし観測結果は違うものになります。地球と月は反発するはずなのに、実際は引っ張り合っています。ではなぜ反発せずに引っ張り合うのか。それは後ろから真空の斥力に押されているからです。
よって地球と月に働く力は次の三つです。
1:地球と月が反発する力。2:真空が地球を押す力。3:真空が月を押す力。
※注1:真空の押す力は地球と月の全方向に働きますが、反対方向の力同士で相殺できるので計算しません。
※注2:同様に地球と月が真空に反発する力もありますが、これも反対方向の力同士で相殺できるので計算しません。
まずは地球と月が反発する力について見ていきましょう。
地球の質量を 、月の質量を 、地球と月の距離を 、万有斥力定数を とすると、両者の間に働いている万有斥力は次のような式で表せます。
先ほどの万有引力の式とは逆のような形になりましたね。
では、地球と月の間に働く万有斥力と万有斥力定数を求めましょう。以下のAとBは値が一致するので、それを等式で結んで計算すればOKです。
A:地球と月の間の万有引力
B;真空が地球を押す力 真空が月を押す力 地球と月の間の万有斥力
地球の質量を 、月の質量を 、地球と月の距離を 、万有斥力定数を 、万有斥力定数を 、真空が地球を押す力を 、真空が月を押す力を とすると、以下のような等式が作れます。(※真空の押す力は重力と等しい)
ここに実際の値を代入していきます。
地球の質量 は
月の質量 は
地球と月の距離 は
地球の重力加速度 は
月の重力加速度 は
これを計算すると地球と月の間に働く万有斥力の値が求められます。
万有斥力定数も求められます。
さて、これで必要な準備は揃いました。これから慣性質量と重力質量が一致する理由を説明しようと思います。
が、その前に、まずは一応先ほどまでの計算が合っていることを確かめていこうと思います。
地球と月の間に働く万有斥力は ] です。観測上働いている引力は ] です。つまり実際にはこの二つの値を足した値の力が働いていることになります。その値を計算するとこうなります。
このとき、地球と月の間に働く引力は重力ではありません。二つは反発しているからです。地球と月の間に働く引力は、真空が地球を押している力と言い換えることができます。これは物体の運動を示しているため、運動方程式が使えます。
すなわち、真空の斥力という概念を導入することによって、初めて万有引力と運動方程式が合体できるようになりました。
本当ならここで加速度を求めて慣性質量が一致することを示したかったのですが、加速度がわからないので、もう仕方ないので慣性質量と重力質量は一致するという実験結果をそのまま使ってしまって、加速度が一致することを示したいと思います。
には地球の質量を代入します。 は加速度を示します。 先ほどの引力の値を使って、地球に働いている力を運動方程式で示します。
はい。重力加速度と地球にかかる加速度が一致しました(どちらも )。これで一応、適当ではありますが、慣性質量と重力質量が一致したと言えるでしょうか。この証明により、今までの計算に間違いがないことが示されました。
最後の本題に入りましょう。どうして慣性質量と重力質量は一致するのか。
従来、質量とはこのようなイメージで捉えられてきました。
これだと重力が働くのはわかります。しかしなぜ物体が動きにくくなるのか、そのことがわからなかったわけです。
新しい考え方を図にするとこうなります。
これだとなぜ物体が動きにくいのかわかりやすいのではないでしょうか。
物体は全方向から真空の斥力に押されているため動きにくくなる。質量の大きい物体は自身の斥力が小さいため、真空に反発する力が小さく動きにくい。質量の小さい物体は自身の斥力が大きいため、真空に反発する力が大きく動きやすい。
こうして慣性質量と重力質量の一致する理由が明らかになりました。それを端的に示すと以下のようになります。
ここでさらなる重大な事実が明らかになります。
本論の目的は慣性質量と重力質量が一致する理由の解明でした。しかしそれは副次的にある重大な事実を明らかにしました。
重力についての新たな定義。
重力とは物体が物体を引っ張る力ではなかったのです。私たちは地球に引っ張られて地上に立っていられると思っていました。しかしそれは間違いでした。私たちは真空に押され、その斥力で地上に立っていたのです。
万有斥力。一見突飛な発想でしょう。しかし斥力の導入は必然でした。その理由は、斥力の存在が物理学上の観測結果と一致しているからです。
すなわち宇宙の加速膨張。宇宙が加速膨張していることは観測されていましたが、それがなぜなのかは不明でした。その加速膨張を引き起こすエネルギーはしばしばダークエネルギーと呼ばれ、その正体は物理学上の最大の謎でした。
私は完全な素人なので、難しい数式も理論もわかりません。それでもぼんやりと想像できるのはこういう可能性。
追記:その検証がこちらとなります。